散歩道

日記りすと

更新日2014.03.08 Mar12:19

季節を勘違いしたアゲハ蝶

羽化に失敗したアゲハ蝶 2014.3.2撮影
2014.3.2の夜の事です。
何時ものように家族で夕ご飯を囲んでいる時に突然、
私の足下に黒い物体がファ〜ッと現れました。
思わず“キャー”っと悲鳴をあげてしまいました。
なんとアゲハ蝶ではありませんか・・・
よく見ると背中に何かしょっているみたいで、
フローリングの床の上で動かなくなりました。
まさかこの真冬に蝶々が羽化するはずはないのですが、
それには理由がありました。
私の住んでいるマンションが大規模修繕の時期になり
ベランダにある植木を全て片付ければならなくなり、
お花類はご近所に住む一戸建ての友人の家にお嫁に行ったのですが、
樹木類の一部は捨てきれなくてリピングに引き上げたのです。
その中にくちなしの木がありました。
アゲハ蝶のサナギは多分、このくちなしの木のどこかでサナギになっていて
越冬して春になったら羽化する予定だったのでしょう。
それが暖房が効いたリビングルームに運ばれて
春が来たと勘違いしてしまって羽化してしまったのです。
その上、羽化に失敗してサナギの殻がとれないでいます。
そして、この子は私の足下にやってきました。
外に逃がせば凍てつく寒さですぐに死んでしまうでしょう。
このまま様子をみるか、サナギの殻を取り除いてあげるか悩みました。
サナギの殻をつけていては飛ぶ事ができないと判断した私は
ピンセットで少しずつ少しずつ殻を剥がしてあげました。
何とかサナギの殻は綺麗に取れましたが、何か胴体が曲がっていて奇形です。
奇形だったから綺麗に抜け出て来れなかったのかもしれません。
すぐに薄い蜂蜜水を作り、割り箸にコットンを巻いて、
それをアゲハ蝶のところに持っていくと、すぐに止まりました。
蜂蜜コットンに止まるアゲハ蝶
 飛べないアゲハ蝶
私は毎日この子の世話をしていて、母親をやっています。
翅の模様からメスだと思われます。
今日で6日目になりますが、私の手にも安心して止まります。
今日はネットで羽化に失敗したアゲハ蝶を検索したところ、
育て方が詳しく動画になっていたので、真似をしてスポイトで蜂蜜水を
あげました。飲んでくれました。
200個の卵からたった1個しか成虫になることができない蝶が
縁があって我が家のベランダの山椒の木に卵を生んで、
その200分の1の一つの命が私の足下にやってきたのです。
何か運命を感じない訳にはいかず、現在私は子育てをしています。
君子蘭の上で休憩中のアゲハ蝶
羽化から今日で6日が経ちましたが、この子は未だに飛ぶ事ができません。
移動する時はつたい歩きで、君子蘭の花の上を移動したり、
鉢の淵に止まったりして我が家のリビングで暮らしています。
もう飛ぶ事はできないと思います。
自然に逆らって育てることは正しいことなのか、倫理に反することなのか・・・
賛否両論あり、どちらが良いとかは一概には言えないと思いますが、
私には “助けて下さい!”という声が心の中で聞こえて
その声に素直に従おうと思いました。
あと何日生きられるか分かりませんが
命のある限り、精一杯のお世話をしてあげたいと思っています。
頑張れアゲハ蝶の女の子!(悦)

このページの一番上へ

過去の散歩道